第69回NHK杯1回戦第5局
先手▲谷川浩司 九段 vs 後手△安用寺孝功 六段
~戦型~
6手目△32飛。
後手の安用寺六段は振り飛車党。本局は三間飛車を採用しました。対する先手の谷川九段は居飛車党ですが本局は向い飛車(下図)とし戦型は相振り飛車になりました。
(6手目△32飛車)
(13手目▲88飛車)
~序盤~
33手目▲56銀。
先手は▲56銀と上がりましたが▲75歩(変化図1)も有力でした。一例は以下、△26歩▲同歩△同飛▲74歩△同歩▲55角△73銀▲同角成△同桂▲84歩(変化図2)です。
(33手目▲56銀)
(変化図▲75歩)
(変化図2▲84歩)
~後手動く~
50手目△64歩。
後手は機敏な動きで仕掛けます▲同歩に△65歩▲同桂△64銀とし、桂を目標に攻めていきます。
(50手目△64歩)
~突破に成功~
67手目▲83金。
先手は巧みに反撃をし下図の局面。突破はできましたが駒損をしていることもあり形勢は互角です。
(67手目▲83金)
~受け方のミス~
88手目△53玉。
後手は△53玉と逃げましたが△74飛車と取る手が優りました。以下▲75香に対して△46桂(変化図1)が返し技です。▲同歩△75飛▲同銀に△65角(変化図2)が王手飛車になります。
(88手目△53玉)
(変化図1 △46桂)
(変化図2 △65角)
~先手のミス~
107手目▲75銀打。
後手の粘りから先手にもミスが出ます。▲75銀打としましたが▲55銀打が優ったようです。△同角▲同銀△同玉▲46角(変化図)が王手金取りとなり優勢でした。
(107手目▲75銀)
(変化図▲46角)
~急転直下~
116手目△63銀。
互角の局面を迎え先手の次の一手は▲14角成でしたが△66角と銀を取られ57の地点が受からず、後手勝勢となりました。ここでは△64歩▲同玉の交換で、相手玉を戦場に近づける工夫が必要だったようです。
(116手目△63銀)
(120手目△57歩成り)
~終局~
134手目△84玉
本局は先手の谷川九段が飛車を成ることに成功し優勢となりましたが、後手の安用寺六段が決め手を与えない粘りで先手のミスを誘い一気に逆転した将棋でした。
△84玉まで、134手で安用寺六段の勝ち
▲松尾歩 八段 vs △ 村山慈明 七段
▲ 福崎文吾 九段 vs △ 都成竜馬 五段