第69回NHK杯1回戦第4局
先手▲畠山鎮 七段 vs 後手△佐々木大地 五段
~戦型~
8手目△77角成。
今期NHK杯、4局目にして3度目の角換わり。 居飛車同士の対局ではおなじみの作戦となっています。 本局では▲25歩△32金が入っていない状態での角交換となりました。
(8手目△77角成)
~序盤~
38手目△52玉。
角換わりでの後手は最善の形で待つことを目指します。△52玉は自陣のバランスを重視した手で、場合によっては右玉も視野に入れることが出来ます。先手は理想のタイミングで仕掛けをうかがうことになります。
(38手目△52玉)
~先手十分~
70手目△21飛車。
長い序盤が続き下図の形。先手は55の歩で中央の位を保持することに成功。十分の展開です。 本譜はさらに手待ちをしましたが、▲45歩と仕掛ける手が有力だったようです。以下△同歩▲同桂△同桂▲同銀△44歩▲56銀(変化図)としておき、次の▲95歩△同歩▲92歩△同香▲84桂の筋や▲68飛~▲57桂打ちと5筋の位を生かし攻める手が有力だったようです。
(70手目△21飛車まで)
(変化図▲56銀)
~後手動く~
76手目△54歩。
数手進み後手が動き出しました。形勢は互角です。
(76手目△54歩)
~意表の角打ち~
85手目▲47角。
先手は▲47角と打ちました。この手は将来的に桂頭の74を狙う手で、対右玉に出てくる手筋の一つです。
(85手目▲47角)
103手目▲75歩。
先手は当初の狙いを決行していき、難しいながらも先手有利の局面をつくることに成功します。
(103手目▲75歩)
~先手優勢~ 111手目▲75桂。
73の桂馬をとらずにいったん銀取りに打つ▲75桂が厳しい手ではっきり先手優勢です。
(111手目▲75桂)
~再びよりを戻す~
119手目▲58飛車。 後手も馬を活用し反撃を図ります。ここで先手は▲58飛と受けましたが△37歩成りで互角の形勢になりました。▲58飛車に変えて▲73銀と攻めこんでいけば優勢を維持していたようです。一例は▲73銀△71金▲65歩△同歩▲57桂(変化図)です。
(119手目▲58飛)
(変化図 ▲57桂)
~後手の反撃~ 128手目△86桂。
86桂が後手からの痛撃でした。この手も矢倉戦などでたまに出てくる手筋で▲同歩であれば△同歩としておき、次に87の地点へ駒を打つ手が厳しい狙いになります。
(128手目△86桂)
~きれいな寄せ~
下記は先手が▲81歩成りと飛車を取ったところです。 後手からきれいな寄せがありました。
(141手目▲81歩成り)
142手目△68龍。
△68龍が鮮やかな手で先手玉は即詰みとなりました。本局は長い序盤戦から佐々木五段が玉頭から一気に反撃し勝利した将棋でした。
(142手目△68龍)
△85銀まで、148手で佐々木五段の勝ち
▲谷川浩司 九段 vs △安用寺孝功 六段
▲松尾歩 八段 vs △ 村山慈明 七段
▲ 福崎文吾 九段 vs △ 都成竜馬 五段